JIS規格

電気亜鉛メッキ

(JIS H8610)

 

記号の説明

一般的に、設計図及び製作指示書で使われる表記について説明致します。

 

例) Ep-Fe/Zn8/CM2 (代表的な表記)

 

 Ep Epは電気めっきを表わす記号です。無電解の場合はELpとなります。
 Fe Feは生地が鉄であることを表します。銅ならCu、アルミならAlというように表します。
 Zn

Znはめっきの種類が亜鉛めっきであることを表わしています。

その他としてニッケルならNi、クロムならCrなどがあります。

  8

これはめっき厚を表わします。この場合は8ミクロン(μmです。

用途にもよりますが、5または8ミクロン(μmが現在の標準です。

 CM2 めっき後の後処理(クロメート処理)の種類を表わします。
無記号:めっきのみで後処理なし
CM-1:ユニクロ(光沢クロメート・透明もしくは青味)美観重視
CM-2:クロメート(有色クロメート・黄色もしくは虹色)耐食性重視

3価ユニクロ:CM-1のユニクロと同系色(透明もしくは青味)美観重視

3価クロメート:透明性で薄い色ムラを有する色調。耐食性重視

3価ユニクロ及び3価クロメートの場合、JIS表記が無いので3価クロムを使用する(3価クロメートとする)等、特記があります

その他   

使用環境を表す場合には末尾にABCDのアルファベットを使用します。
A:
腐食性の強い屋外
B:
通常の屋外
C:
湿度の高い屋内
D:
通常の屋内

 

 

 

 

 

電気亜鉛めっき(H8610)の等級および記号

 

 

 等級

 めっきの最小厚さ(μm

 記号

 1

 2

 Ep-Fe/Zn 2又は Ep-Fe/Zn[1]

 2

 5

 Ep-Fe/Zn 5又は Ep-Fe/Zn[2]

 3

 8

 Ep-Fe/Zn 8又は Ep-Fe/Zn[3]

 4

 12

 Ep-Fe/Zn 12又は Ep-Fe/Zn[4]

 5

 20

 Ep-Fe/Zn 20又は Ep-Fe/Zn[5]

 6

 25

 Ep-Fe/Zn 25又は Ep-Fe/Zn[6]

 

 

 

クロメート皮膜の等級・種類及び記号

 

 等級

 種類

 等級・種類の記号

 単位面積あたり
皮膜質量g/m2

代表的色合(参考)

1

 光沢

 CM 1 A

 0.5以下

透明、時として青味

1

 淡黄色

 CM 1 B

 1.0以下

わずかに干渉模様

2級

 黄色

 CM 2 C

0.5を超え1.5以下

黄色干渉模様

2級

 緑色

 CM 2 D 

1.5を超えるもの

オリーブ、グリーン、
ブロンズ、褐色

 

 

 

クロメート皮膜の耐食性

 

 等級・種類の記号

 白色腐食生成物が発生してはならない最低時間(h

 CM 1 A

 CM 1 B

24

 CM 2 C

72

 CM 2 D

96